『引き出しに夕方をしまっておいた』特設ページ

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回復に導く詩の言葉

ハン・ガンが20年余りにわたり書き続けてきた60篇を収めた詩集『引き出しに夕方をしまっておいた』を、著者の小説を手掛けてきた翻訳家きむ ふなと斎藤真理子の共訳により刊行致します。
巻末に収録した翻訳家対談では、韓国における詩の受容や詩人としてのハン・ガンなど、広く深みのある話が繰り広げられており読者を韓国の詩の世界へ誘う格好のガイドとなっています。

ハン・ガンの小説は美しく、同時に力がある。繊細さだけではなく強さがある。
その元にあるものがこの詩にあらわれている。
――斎藤真理子

ハン・ガンにとって詩は内密な自分自身の声に正直なもの。
詩を書くことで、心身のバランスや問いを直視し続ける力を回復していく。
――きむ ふな

目次
一部 明け方に聞いた歌
二部 解剖劇場
三部 夜の葉
四部 鏡のむこうの冬
五部 真っ暗なともしびの家
対談 回復の過程に導く詩の言葉──訳者あとがきにかえて

ためし読みはこちらから

著者による朗読をYouTubeで公開中
『引き出しに夕方をしまっておいた』より「ある夕方遅く 私は」ほか4篇

CUON YouTubeチャンネル


| 日本の読者へのメッセージ

アンニョンハセヨ。
『引き出しに夕方をしまっておいた』が日本で出版されることを心より嬉しく思います。
1992年から2013年までに書いた詩の中から60篇を選んだこの詩集は、20余年の時間が込められていて、私には薄く感じられない詩集です。
雑誌に発表した作品もいくつかありますが、ほとんどは発表を念頭におかずに書いてきた詩で、これまで出した本(作品)の中でもっとも個人的なものでもあります。
優しくあたたかい、きむ ふなさん
私の好きな詩集『ただひとつの雪片』の詩人でもいらっしゃる斎藤真理子さん
金承福代表をはじめとするクオン出版社の皆さまに感謝いたします。
そして、この詩集と出会ってくださる読者の方々に感謝と喜びのあいさつをいたします。

2022年、初夏 ハン・ガン(拝)


|セレクション韓・詩

「セレクション韓・詩」は、韓国語で紡がれた同時代の詩のことばを贈るシリーズです。
第1作として、2013年に原書が刊行されたハン・ガン初の詩集『引き出しに夕方をしまっておいた』をお届けします。
今後、キム・ソヨン『数学者の朝』、オ・ウン『私は名前があった』などの刊行予定しています。


|Profile

著者:ハン・ガン(韓江)
1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。
1993年、季刊『文学と社会』に詩を発表し、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し作家としてデビューする。2005年、中編「蒙古斑」で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞、同作を含む3つの中編小説をまとめた『菜食主義者』で2016年にアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞する。邦訳に『菜食主義者』(きむ ふな訳)、『少年が来る』(井手俊作訳)、『そっと 静かに』(古川綾子訳、以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子訳、晶文社)、『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳、河出書房新社)、『回復する人間』(斎藤真理子訳、白水社)などがある。

訳者:きむ ふな
韓国生まれ。訳書にハン・ガン『菜食主義者』、キム・エラン『どきどき僕の人生』、キム・ヨンス『ワンダーボーイ』、ピョン・ヘヨン『アオイガーデン』、シン・ギョンスク『オルガンのあった場所』(以上クオン)、孔枝泳『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)など。著書に『在日朝鮮人女性文学論』(作品社)がある。韓国語訳書の津島佑子『笑いオオカミ』にて板雨翻訳賞を受賞。

訳者:斎藤真理子
新潟生まれ。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、ハン・ガン『ギリシャ語の時間』(晶文社)、同『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)、同『回復する人間』(白水社)、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』(白水社)など。
『カステラ』で第1回日本翻訳大賞、『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳賞(韓国文学翻訳院主催)を受賞。


|書誌情報

著者:ハン・ガン
翻訳:きむ ふな、斎藤真理子
編集:アサノタカオ
装幀:松岡里美(gocoro)
刊行:2022年6月30日
頁数:192ページ装
版型:四六変形判、仮フランス装
価格:2,200円+税
978-4-910214-28-3 C0098

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