2024年10月15日に『完全版 土地』の19、20巻を同時刊行し、完訳プロジェクトが完結します。
【19巻あらすじ】
戦争の暗雲は平沙里にも漂っている。母の家を逃げ出してきた南姫は心身ともに病んでいた。
成煥の祖母は成煥の出征を知って失明してしまう。
允国は戦地に出発し、還国はひどくやつれた母の姿に衝撃を受ける。
李府使家の民雨も日本で行方をくらました。
もはや親日派すら何の力もなく、禹介東は面事務所を解雇され、裵雪子には悲惨な結末が待っていた。
他方、栄光は仁川に良絃を訪ね束の間の逢瀬に喜びを得るが、二人の未来を信じられない。
麗玉はソウルに来た翔吉に自らの決意を伝え、緒方は父親と名乗れないまま荘次と満州への旅に出る。
女学校四年生になった尚義は日本人教師の理不尽な振る舞いに敢然と立ち向かう。
【20巻あらすじ】
弘を頼ってハルビンに行った栄光は、独立運動に関わり父と親しかった錫、良絃の実父・相絃らと出会う。
栄善は智異山の家に母が来たことで、兄の満州行きを知る。
西姫は仁川の良絃を気遣い、平沙里の屋敷に連れ戻した。
永八が死んで平沙里の来歴を知る人も少なくなり、代々続く家同士の因縁も新しい世代に払拭されていく。
南姫は延鶴の配慮で晋州の参判家に身を寄せ、尚義は女学校を卒業した。
自分の意思が希薄だった人生を悔やみ、明姫は周囲を驚かせる行動に出る。それを機に集まった海道士やカンセら山の男たちは、スパイを捉えたとの知らせに緊張感を高めた。
そうした中、とうとう皆が待ち望んだ日を迎える。